好きなチーム,好きな選手を

5/4,黒鷲旗の準決勝。
自分は,この日は女子よりも,男子バレーボールの方に興味がありました。
堺ブレイザーズと,男子の東レ・アローズの試合を応援したいなあと思いました。
堺ブレイザーズは,同じ女子アローズファンのK君が,昨年の大会で中恒内選手の胴上げを見て以来のファンで,堺ブレイザーズを一緒に応援したいなあと思いました。そして,その準決勝の対戦チーム,NECブルーロケッツは,なんと!昨年,敗れている対戦相手ということでした。当時,選手だった中恒内さんが監督となってのリベンジ。燃えないわけがありません。

しかし……残念ながら,昨年の雪辱ならず,堺ブレイザーズは破れてしまいました。白熱の第2セット,27−25で落としてしまったのがとても惜しかった。その堺ブレイザーズの試合ですが,堺ブレイザーズの応援は,中田なおきさんを団長としてすごく面白くて楽しいのですが,たぶん会場で見ていた方が,1番心に残っているのは,セッター市橋選手への「いっちー」コールではないでしょうか。市橋選手がサーブに入るたび,応援席からの大きな「いっち−」コールが,何度も上がりました。
「市橋選手,人気あるんだなあ」
そんなことを僕らは話していました。確かに甘いマスクだし,女性に人気があるんだなあって思いました。にしても,熱いコールだなあとは思っていました。
で,試合終了後。
市橋選手の胴上げが,始まりました。

更に,次の試合のサントリーの選手が市橋選手に握手を求める姿が。
市橋選手は,昨年の中恒内選手と同じく引退をされる決意をされていたそうなのです。
市橋選手への熱い「いっちー」コール,ベスト6に選ばれた市橋選手の頑張り><
そこには,ファンと選手の絆。1試合,1試合にかける想いがあったのでした。
なにも知らず観戦していた自分ですが,心を打つものがありました。


続き,男子アローズの応援に。男子の応援席を見たら,かなり席が空いていたんです。ですから,僕は一緒に観戦していたバレー友達のNさん,K君には申し訳なかったのですが,一人,応援席でひとつの声にになろうと思い,移動しました。
そこで,応援席に座ったら,
「お兄さん,東レファン?」
そう声を掛けてくる方がいました。
その人の顔は,見覚えがありました。いろんな会場で見かけることが多くて,そして,この黒鷲旗も連日会場に朝早くから並んで……僕はだいたい7時から並んでいたけれど,その方は,それよりも早く,いつも列の先頭の方にいらっしゃいました……そして,第1試合から最後の試合まで観戦されているようでした。
「ハイ,東レファンですよ。でも,女子アローズの方を特に応援しているんですけど,男子も好きです」
みたいなことを言って,そしたら,その方は嬉しそうに笑って,
東レ・ファンだったんだ」
「あなたも,東レファンですか?」
僕がそう聞いてみると,その方は首を振られて,
「いや,僕はこれといって,応援しているチームは今は無いのだけれど,友達が東レファンなんだ。東レも好きだけど。」
その後,ぽつりとこう付け加えてくれました。
「僕はね,東洋紡を応援していたんですよ。それと,選手では,大林選手を応援していたんだよ」
東洋紡は,既に廃部。そして,大林選手はご存知のように引退されています。
その方は試合を見ているとき,静かでじっとされている事が多くて,どこのファンなんだろう?ってずっと思っていたんです。
バレーボールは好きだけど,かつて応援していたチームは廃部になって,好きだった選手は引退されてしまって。でも,バレーボールは好きだから,会場に出かけて。
東洋紡と言うと,西脇選手ですね!」
僕がそう言うと,その方はとても嬉しそうに笑って,
東レは,いい選手を取るよね」
「西脇選手,すごい選手になってきてますよね!応援しているんですよ!」
そしたら,その方が頭を下げて
「応援してあげてくださいね」
僕も,嬉しく思って,西脇選手の話し,女子アローズの話をしました。その方は,昔の東レに関しても詳しくて,いろいろ興味深いお話を聞かせていただきました。
試合が始まりました。

「1本カット」「東レ!ファイト」
横で聞こえてくる大きな声。いつも静かなその方が,とても元気に自然と一緒になって,アローズを応援してくれました。応援は,音響も無くて,声のみの応援で,男子アローズの団長さんも最初は不安だったのですが,みんな一丸となって応援できたように思いました。僕は,新幹線の時刻が迫っていて,第4セット終了後に帰らなくてはならなくなったのですが,その方が
「お兄さん。サマーリーグは来るの?なんか,東レ好きになりそう」
「はい。いくつもりですよ。好きになってください!応援しましょう」

なんば駅に向う途中,思ったんです。
市橋選手の試合を応援したファン。
かつて,好きだった東洋紡。応援していた大林選手。
好きなチーム,好きな選手を応援できることの幸せなこと。
今,そのことに感謝。