空洞

若い頃、感性という言葉に弱かった。

 

感性に訴える小説、映画という謳い文句があると思わず手に取ってみたり、映画館まで足を運んだ。

 

年齢を重ねるにつれて

自分の感性は衰えているのではないかと

思うようになった。

 

巷で大人気の全100巻を超える漫画を見て

面白さがわからなかった。

作品の善し悪しではなく、自分の感性が衰えているからではないかと思った。

 

感性の衰えの

代わりに経験というものを手にいれた。

 

そう思っていた。

 

秋リーグからの試合を振り返った時に

なんとも言えない気持ちになった。

 

すごかったな。

ある選手のプレーに

体の芯から熱くなった。

体の奥から震えるような、

そう、シンプルにたとえると

感動した。

 

感動が大きかっただけに

今 ぽっかり穴が開いてしまった

自分が空洞になってる気がする。

 

明るい言葉、前向きな言葉で

埋めようとしなくても

空いたまで いいじゃん。

空洞のままにしとこう。