スマイル

2005年9月24日。午後1時。第12回Vリーグが開幕しました。東レ・アローズの対戦チームは武富士バンブー
この試合、多くの東レ・アローズのファン、バレーボールファンがおそらく心を動かされたと思われるのが、大山加奈選手、冨田選手が再びコートに帰って来たことだと思われます。
冨田選手について、書かせてもらいます。
冨田選手のすらりとしたユニ姿。背番号8のユニを見た時、ジーンとするものがありました。やっぱり、アローズのユニが良く似合うなぁって思いましたよ。長かったよなあ。頑張ったよなあって、ちょっと冨田選手の姿が滲んで、長身センターなのだけど、眼鏡ごしにぼやけて見えてしまいました。
何より固唾を飲んで、見守ったのが、スパイク練習。高く上がったきれいなボール。助走の体勢に入った冨田選手がボールを見上げ、軽やかに走ります。
長い足のストライド。コートの中を思いっキリ駆けて、すっと一瞬沈んでバネをタメて。そこからボールを捕らえる高さに到達するまでのなんという速さ!コンパクトで全く無駄がないフォームから繰り出されたスパイクはシャープで力強くコートに突き刺さりました。洗練されたものは、とても美しい。躍動感溢れる冨田選手のスパイクを見て、周囲で惚れ惚れとした。ため息が聞こえました。
セットカウント1ー1で迎えた第3セット。このセットは、リードしつつも、追い上げられて、ちょっと悪いムードが流れて。その時、冨田選手が監督に呼ばれて。
冨田。背番号8。
場内アナウンスが流れた時、会場内、東レ・アローズのファン、多くのバレーボールファンのココロ、気は間違いなく冨田選手に注がれました。
そして、ブロックが決まった瞬間。
応援席のリーダーが飛び上がりました。ネネと書かれたボードを持った団員の方が、力強く掲げました。
コートチェンジの時に、冨田選手に一緒に観戦していた女性の方が声をかけました。そしたら。
ねねちゃんは、とても晴れやかな笑顔で頷きながら答えてくれました。
眼鏡外して、ハンカチで思わず溢れた涙をふきました。