あの時の笑顔〜最後の1点

2013年の黒鷲旗、久光との試合。
アオさんが、試合中にアキレス腱全断裂の重傷を負った試合。
自分は、アリーナの一番前で東海を応援していました。
久光との試合で、最も活躍していたのはアオさんでした。
アオさんが試合中に倒れ、チームメイトに助けられ、起き上がった時、
アオさん、笑ってました。
やっちゃったなあ。苦笑いと、多分、その時に大きな怪我であることを確信していたのだと思います。
目に不安をのぞかせての笑顔でした。
その時の笑顔は、ずっと心に残っていました。
府立から病院に向かう時、アオさん片足でタクシーまでケンケンで歩いて行って。
男性スタッフに付き添われていきました。
それを、自分は見送っていました。


2013年の全日本インカレには、間に合わせたいと、アオさんは復帰のために頑張りました。
間に合ってほしいと、みんなが思っていましたが、間に合わず。
大阪で行われた全日本インカレには、メンバーには選ばれず、金曜日からの参加。
なので、木曜日に行われた尚絅との試合は、必死に応援しました。
東海の部員さんが全員揃うのは、金曜日。アオさんが来るのも金曜日。
絶対、負けるわけにはいかない。
木曜日に勝てた時、やっぱり、安堵しました。



2回の手術をしたそうです。
春リーグにも、間に合いませんでした。
けれど、秋リーグ1日だけ、ユニフォームを着て、試合に出場しました。
ご本人は満足のいかない結果だったかもしれないけれど、コートに出ただけで胸がいっぱいになりました。



神奈川トーナメント。
アオさんはBチームで先発。
嬉しかったのは、足に何も巻かずに出場したこと。
ああ。
本当に「近い」とこまで、戻ってきているんだなあと実感しました。
松蔭との試合でのサービスエース連発は、日本一になった時の嘉悦を苦しめたアオさんの活躍を思い出しました。


そして、全日本インカレ。
中京との試合。
アオさんがスタンバってる時から、ざわざわ。
みんなが待っていたその時。
この時ばかりは、サーブのルリさんには悪いけど、エースはいらないから、ラリーになってほしいと思っていました。
ラリーになり、そしてセッターのオトさん。
やっぱり「わかっていた」
上がったトスは、難しいトスになったけれど、アオさんが押し込んだ。
全日本インカレ、最後の1点。
4年間を締めくくる1点は、マーメイズが、マーメイズを知るものが、誰もが待ち望んでいた1点でした。