バレーボールが好きという気持ち

pigroboshow2006-02-13

ミユさんのことを僕が意識したのは,2年前の東レ・アローズが優勝した黒鷲旗の時でした。
準決勝だったかな……その時……たくさんのファンが試合後の東レ・アローズの選手を待っていました。
そんな中,ミユさんが黙々とバスに荷物を運んでいました。
その横顔がちょっと張り詰めたような厳しい表情だったのを覚えています。

西尾で行われたデンソー戦。ミユさんがベンチ入りをされました。
出場してほしいな。そう思っていたら,ピンチサーバーでの出場。
空中で高く上がったミユさんのサーブは,生きているように急降下でデンソーコートに落下しました。
「ナイス!サーブ!」
「ミユさん,もう1本!」
そう叫んで,ミユさんをその時,見たんだ。

ミユさんをその時,見たんだ。
当日券が無いほどに満員になった西尾市総合体育館。
反対側サイドを埋め尽くすデンソー応援団の白いスティックバルーンが,きれいに揃って揺れていた。
東レ・アローズ応援団の青いメガホンも負けじと叩かれていた。
コートの中のアローズの選手が,ネット越しのデンソーの選手に闘志を燃やしていた。
菅野監督がいつものようにコート近くに立って指示を出していた。
アップゾーンで,ダンさんはじめ みんなが声を掛けていた。
そんな中。
ミユさんがボールをコートに弾ませて,審判の笛が鳴るのを笑顔で待っていた。
笑顔で。
ボールを弾ませているミユさんは愛おしそうにボールだけを見つめていた。
体育館の中,味方は勿論,素晴らしい対戦相手も含めて。
あの時,ミユさんはバレーボールに関わる全てに感謝していたように見えた。
バレーボールが好きという気持ち。
ミユさんからその気持ちが伝わってきたんだ。
コートに立つ喜び。
バレーボールが好きという気持ちをミユさんは全身で表現してくれた。
ミユさんを見ていて,心から嬉しく思った。