3月16日の朝に、テレビを見ました。
高橋尚子さんをテーマにして、松野明美さん、谷川真理さん、千葉真子さんの3人が座談会形式で、陸上について語った番組がありました。その中で、松野明美さんが、オリンピックについて
「死んでもいいと思った場所だった」
と語られていました。

レギュラーラウンド27試合が終了しました。
今季の東レアローズは、開幕を滋賀で迎えました。
2連勝。しかも2試合ともストレート勝ちの好スタートだったけれど、その嬉しさとともに彼女のことが心配でした。
それは、開幕の2試合を消化した時の話です。
あれから25試合。
彼女は、試合に出場し続けています。
私は、27試合を応援してきて、彼女が全ての試合を大切に戦ってきたことを見てきました。
久光がメンバーを落としてきた岡山での試合も、彼女はいつものようにひとつひとつのプレーに集中し、いつもと変わらぬ頑張りをコートで発揮していました。
いろんな話を聞きました。
だから、ずっと 自分は彼女を心配するような気持ちがありました。
ある試合で、心臓が凍りつきそうな場面があって、その時は、頭の中が真っ白になりかけました。
でも、彼女は、次の日の試合にも出場しました。
福井でのNEC戦が終わった後に、彼女に話しかけられるチャンスがありました。
にこっと笑った彼女を前にして、言いたいことは言えませんでした。
「明日も頑張ってね」
笑顔でそう言うと、嬉しそうに頷いていました。

松野明美さんが言った言葉。
彼女は、27試合を、そんな気持ちで戦い続けていたのではないかなと思いました。
でも、近畿総合も、サマーリーグも、国体も。
プレミアの27試合も。
彼女は、同じ気持ちで戦っていたように思います。
そういう風に自分には見えました。思いました。
そういう風にしか出来ないのだと思います。
コートでベストを尽くすこと。
それは「自然」なことだから。
尊い気持ちで戦い、厳しい覚悟のコートから離れたら、
彼女は また にこっと笑うんだと思います。