a moment to shine

pigroboshow2008-10-29

2008年の春。
新しく歩き始めた東海は、けして順風満帆ではありませんでした。
国士舘大学にストレートで敗れた試合。その時は、4年間掛けてチームを作り上げてきた国士館との差を感じることもありました。
ですが、その敗れた翌日の東海は、またひとつの階段をあがったようなバレーボールを見せてくれました。
そして、国士舘との最終戦。いい試合。いいバレーボールでした。
敗れても、選手のひとりひとりを讃えたいような気持ちになれた稀有な試合でした。
春リーグは、上位2チームが自動昇格。
とにかく1部復帰が目標でしたから、たとえ準優勝でも、私は心から嬉しかったです。
秋リーグは、10チームで争われ、9位と10位は自動降格。
7位と8位は入れ替え戦に。
なんとしても、8位以上を。そう願っていました。
開幕戦の王者嘉悦戦を前に、自分は嘉悦大学に勝つこと。それを奇跡にたとえていました。
開幕戦、嘉悦大学をあと1歩まで追い込みましたが敗れました。
翌日の松蔭大学に勝ち。この勝利は本当に嬉しかった。春リーグ最下位だった松蔭大学には自動降格を回避するためにも勝っておきたいと考えていたからでした。
だけど。
東京女子体育大学にも勝ち。
春のベスト4の日体大に勝ち。
東海は3連勝。これは入れ替え戦さえも回避できるのではないかと思いました。
ですが、次の対戦チームは春、準優勝の青学。
過去の対戦を思うと、実は嘉悦以上に青学と筑波は強敵であるように感じていました。
青学戦。
2セットを連取した青学の実力は、やはり強いなあと感じました。
ですが、ストレートで敗れることだけは、絶対ダメ!
精一杯、応援しました。第3セット後半の連続点は圧巻で、東海が取り。
そして、その勢いのまま第4セット。
青学を圧倒した第4セットの東海の強さは鳥肌が立ちました。
第5セットはみんなが一丸となって、青学に立ち向かって行き、そして勝利しました。
この時、思ってもいなかった「上位リーグ」という言葉が現実味を帯びて自分の頭の中にちらつくようになりました。
翌週の対戦は、因縁の国士舘と日女体。
ここは、上位リーグを目指すためには、絶対に負けてはいけない下位との対戦となります。春に勝てなかった国士舘と、入れ替え戦で悔し涙を飲んだ日女体との試合。
でも、東海は別の大きな目的を持って、その2試合を戦うところまで上がってきてくれていました。
2試合とも、願っていた通りのストレートの勝利。
翌週が早稲田と筑波との試合。この2試合で総当りリーグ戦が終了します。
早稲田に勝つことが出来れば、恐らく真ん中ぐらいにいられるのではないかとリーグ戦が始まる前に考えていました。
その早稲田に勝利。上位リーグを確定させました。
それは私が夢にも思っていなかったことでした。
翌日は筑波の前に破れ連勝がストップ。
7勝2敗。第3位の成績は私には例えようの無い好成績でした。
上位リーグ。
筑波との対戦。どんな形でも、勝利をしてほしい。
そう願っていたけれど、結果はストレートでの勝利。
東海にも優勝の可能性が残りました。
その翌日、全勝の嘉悦大学との対戦。
私が奇跡と呼んだ嘉悦大学からの勝利を掴み取ります。
東海は自分たちの実力で奇跡を起こしました。
そして、最終日。
日体大にストレートで勝利し、筑波が嘉悦をやぶり。
東海は優勝しました。
それは、奇跡よりも夢よりも、それよりも上のことでした。
東海は私には言葉に表せないことをなしとげました。
この秋リーグは、毎日が楽しかった。感動した。
言ってみれば、昨シーズンのセミファイナルのデンソーとアローズの試合が12試合続いたような充実感と幸福感がありました。
最下位のチーム。応援しているチーム。
そのチームが優勝した。
それは恐らく、これからの私の人生でも同じような感動を味わえることは無いのではないかと思います。
大学バレーボールのファンなら誰もが驚いた。
でも、私たちは、それだけでなくて、ともに頑張れた。ともに喜べた。
東海のファンであることに感謝します。
覚えているかわかんないけど、入れ替え戦で敗れて2部に落ちたあとの神奈川リーグの時に、横断幕を初めて張った時にクミさんが言った。
「1部に戻るためには、応援の力が必要なんでお願いします」
私は精一杯、応援した。
覚えているかわかんないけど、1部復帰をかけた入れ替え戦に敗れたあとの東海大相模の体育館で、
「キャプテンになりました」
そう教えてくれたクミさんに私は言った。
「やること、いっぱいあるし、大変だけど頑張って」
クミさん。東海大は一生懸命に頑張った。
そして、最高の結果を出してくれた。
嬉しい。本当に嬉しい。
そして、神奈川トーナメント。
全日本インカレ。
神奈川だけの小さな大会と、日本一の大きな大会。
同じ。
東海は同じく頑張ると思います。私は同じ心で応援します。
奇跡よりも、夢よりも大きなことを成し遂げた東海は、
日本一になれるようきっと、がんばると思います。
そして、私は応援します。