残心

2008年春リーグの試合前の練習でシンさんを初めて見た時、レシーブの軸がぶれなくて、東レアローズの中道選手を思い出しました。
そして、シンさんが中道選手と同じ京都橘出身と知って、さすが橘と思いました。

第1印象は、レシーブの姿が「ミチさんに似ているだった」のですが、ふたりのレシーブには、大きな違いもありました。
それはレシーブした後の腕のフォロースルー。
シンさんは時に大きく、ゆっくりときれいな弧を描く。
そのレシーブした後の姿は、シンさん独特のリズムがあるようでした。


NECの試合を見に行くと、その度にシンさんが強烈なスパイクを、あの独特のレシーブできれいにセッターに返すプレーを見ます。
相手スパイクのパワーを吸収し、余分なものを全て取り払って、セッターが上げやすいボールを、まるで様式美のようにさえ感じる雅なフォームで「届ける」
大阪でバレー友達が、そのシンさんのレシーブをこう表現していました。
「残心」
その言葉はしっくりきました。
レシーブというだけでなく、
あの余韻は天性のものではないかと。
ひょっとして天才?
あまり持ち上げるのも良くないですね。
ただ単にセッター、次の選手のプレーを想ってのレシーブだと思います。
そして、自分自身が次のプレーに備えるために。
もちろん、誰もができるプレーではなく、シンさんのプレーは美しくもあるのですが。あ。また持ち上げてしまった。