早稲田大学 女子バレー部 及川香奈 選手

関東大学女子バレー2部の会場に行ってきました。
とくに松蔭大学早稲田大学を見たいと思っていました。
土曜日は両チームともにストレート負け。
その結果、土曜日を終えた時点での2部の成績は、
1位 国士舘……5勝
2位 大東文化……5勝
3位 松蔭……4勝1敗
4位 順天堂……2勝3敗
5位 日本大……2勝3敗
6位 早稲田……2勝3敗
7位 都留文科……5敗
8位 白鴎大……5敗


春に1部降格の国士舘、松蔭、早稲田。
3大学が、入れ替え戦の2つの切符を争う。
そう多くの人が思っていました。
国士舘、松蔭は入れ替え戦を十分に狙える位置にありますが、早稲田は入れ替え戦どころか上位グループも厳しい位置にいます。
春のスタメンから2名が怪我をしているのも大きく、もともと選手数が少ないチームでしたから、その影響は大きいです。




土曜日の試合。
早稲田―大東文化。
八幡山の日大体育館は超アリーナ席で観戦できます。
それは、もろに選手の感情さえも見れる位置にいます。
ストレート負けした早稲田。
第1セット、大きくリードしてからじわじわ追い上げられている時の選手の不安。追いつかれた時の動揺。セットを落とした時の落胆。
それが自分のことのように伝わってきます。
声援を送るも、勢いに乗った大東文化に押し切られてしまいました。
日曜日は、松蔭と早稲田の試合。
両チームともに好きなチームでしたので、悩みもしましたが、早稲田を応援しようと思いました。
2部降格したチームにとって、1部昇格は「絶対」の目標です。
入れ替え戦は「絶対」に出場しなければいけないという重いプレッシャーがあります。
その入れ替え戦にすら出場できる見込みが薄くなってしまった早稲田の部員さんたちの心情を思ったのと、
早稲田のレフト「及川」選手に興味を持ったからです。




大東文化との試合。劣勢の中で、スタメン1年生の及川選手が声を出してチームを盛り上げ、けれど「不安」の中で必死に頑張っている姿に打たれました。及川選手は1年生でエース。攻守の要です。過酷なリーグ戦で感じている重圧は途轍もなく大きいものと思います。
なので、土曜日の帰りに早稲田、及川選手を応援しようと思いました。


帰宅して、公式プログラムで及川選手を調べると本名は「及川 香奈」。
カナさんか……。
さらにインターネットで調べると、及川選手が古川学園出身であることは知っていたのですが、
気仙沼市出身であること。
2011年の黒鷲前に古川学園が、及川選手の地元の避難所を訪れたこと。
そこで及川選手が感じたこと。
2013年には、やはり気仙沼で開かれたバレー教室において参加して、お手伝いされていたことなどを知りました。


及川選手は気仙沼のバレー少女たちにとって、大きな夢、目標でもあるのではないかと思いました。
及川選手は背負う星の人なのかもしれません。
背負う人、託せる人は、誰もがなれるわけではありません。
ですが、その重さを少しでも軽くできる力が誰にでもあるのなら、私は応援したい、声援を送りたいと思います。
この時点で、もう日曜日は早稲田の「カナさん」を応援したい、支えたい気持ちが、より強くなっていました。
といっても、自分は早稲田のファンでもなく、また2部の試合を見に行くのも、東海の試合とかぶらないからというだけの分際で。
遠慮しながら応援しよう。そういう気持ちでいました。



が、松蔭2セット連取。
早稲田は2試合連続でストレート負け中。
セットさえ取れない。
体が動いていない。
チャンスボールを生かせない。
凡ミスの連発。
……な、中でも昨日同様に必死で頑張っている早稲田のカナさんを見ていて、やっぱりしっかり応援しようと思いました。
及川選手のコートネームは知りません。
けれど、「カナ、頑張れ」「カナ、ナイスサーブ」
そこには、自分の根底に眠っていたものを呼び起こす力があったかも。
フルセット、最後の試合を決める1点は及川選手、カナさんの渾身のスパイク。


試合後にたまたま通った通路で先輩の話を真剣に聞いている及川選手を見ることができました。
及川選手は笑顔ではなかったのですが、その顔が見れて良かったと思います。