横浜国立大〜3番さん

神奈川リーグは、神奈川県の大学バレー部によるリーグ戦です。
1部と2部に分かれ、試合が行われます。
ここ数年は、だいぶチーム数が減ってしまい、残念に思う反面、正直、女子の2部リーグを見ていても、心に残るということはほとんどありませんでした。



神奈川リーグの試合は4つのコートで行われます。
男女1、2部がそれぞれのコートで試合をします。
今年は、2部女子の試合が遅れて、
女子2部、横浜国立大学相模女子大学の試合のみを待つという状況になりました。



横浜国立大学は、バレー部員が6名きっかり。
リベロもいません。
そして、練習を見ていると1名、全くバレー経験が無いのでは?と思える選手がいました。
サーブも、ネットまで届かないような感じでした。
これは憶測でしかないのですが、ひょっとしたら、6名に足りず、バレー経験のない友達?友人?に頼んで試合に出てもらっているのかな?
と思いました。
背番号3番さんでした。


そして、「スゴイ」ものを見てしまいました。
相手チーム、自チームのサーブを打った瞬間に、3番さんがささっと、コートの外に出てしまうのです。
コートの中の5人のみで、ボールを繋いで、攻撃をする。守る。
一人足りない分、守備範囲も広くなるし、大変かと思いきや、5人がよく動く。
3番さんが入って、邪魔になってしまうより、これはこれで守りやすいかな?と思いました。
3番さんは、ミドルの位置にいても、頑張って外に出てしまいます。
「男子のスーパーエースが、助走のためにコート外まで下がって、トスが上がってくるのを待ってるような」とこにいます。
感心したのは、その3番さんが、元気に明るくそれをやってたことです。
男女バレー部員が見ている中で、いじけてしまったり、恥ずかしそうにしていたり、なんてところが無くて、
コート外から、しっかり声を出していました。
味方の得点には笑顔で中に入ってハイタッチ。十分、チームを盛り上げていました。
そこのところのフォア・ザ・チームな心のありようは、あれ?未経験者じゃないのかも?
と思えるほど、立派だったと思います。
また、外に出る際の経路も、味方の選手、特にセッターとの関係を考えられていました。
そして、3番さん。プレーでも、勝利に貢献しました。
サーブ。
練習で、ネットを越えるか、越えないか、どっちに飛ぶかわかんない感じでしたが、
試合ではネットを越えて、ラリーの末にブレイクしました。
サーブを打つ際のスタンドの好奇心と期待の混ざった異様な空気の中、ネットを越えた瞬間の周りのどよめき。
得点になった時の歓喜


横浜国立大学は、2部リーグで優勝しました。



そこで思いました。
こういう形でも、コートに立つ選手が、勝利のため、チームのために懸命に頑張っていれば、心を打つものがあるのだと。
また、これはちょっとした期待なんですが。
この試合だけだったのかもしれないんだけど、
たとえば、秋の神奈川トーナメントで3番さんが、バレーを続けていて、たとえば、レシーブができるようになっていたとか、コートの中に常にいるようになっていたら、めちゃくちゃ、感動する。
たとえば、神奈川リーグだけだったはずだけど、この日をきっかけに「楽しさ」に目覚めたとかあったら。
それは、バレーファンの自分にはとても楽しい気持ちになれる空想なのです。
いずれにしろ、秋の神奈川トーナメントの横浜国立大学を楽しみにしています。