家高 七央子

NECのファンの方とお話をしていて、ただひとつ。
噛み合わないというのが、サチさんのこと。
シンさん、クウさんのことはほぼ同じ意見なのですが、
サチさんのことは噛み合わないことが多い。
それ、自分は、この件に関しては譲歩する気持ちも、さらさらない。
みんながわかっていないと思っている。
そう、ことサチさんに関しては、完全にサチマニア。
ただのファンでいい。


家高選手には思い入れがあります。
それは、お姉さんのこともあります。
お姉さんは2008マーメイズの4年生。
お姉さんも高身長ではあったけれど、怪我に苦しんでいました。
ビデオ係でビデオをよく撮っていました。
国士舘大学では、おいらビデオ取ってるお姉さんの横で、必死に応援していて、笑われた。
不愉快に思う気持ちゼロ。嬉しかった。
笑われて。だって、その分だけ、明るい気持ちになれたんだと思うから。
お姉さんのコートネームは「ケン」さん。
ケンさん、本当にスゴイ選手だったんじゃないかなと思う。
怪我さえなければ、コートでめちゃくちゃ輝く選手だったと思う。
2008マーメイズ。
決勝で青学に敗れたあと、東京体育館の階段を歩いていた時、ケンさんにばったり会った。
「お疲れ様でした」
そういうと、一瞬、言葉に詰まってケンさんの表情が崩れた。
目に光るものがありました。


月刊バレーボールを見ていて、東海第三高に、「家高」七央子の名前を見つけました。
ひょっとしたら。
その予感は的中。妹さんでした。
体育館に東海第三の家高七央子選手を見にいきました。
信州の大エースと呼ばれていて、それに偽りはありませんでした。
素晴らしかった。
いや。
素晴らしすぎた。
きっと、プレミアリーグのオファーも多いだろうし、東海には来てもらえないんじゃないかと思いました。
でも。
サチさんは東海に入学してくれました。
後で知りましたが、やはり当時からプレミアからのオファーはあったそうです。
でも、サチさんは東海に入学してくれました。
嬉しかったなあ。
2011年にマーメイズは日本一になりました。



2013マーメイズ。
自分にはサチさんにどうしても伝えたい気持ちがありました。
大阪市中央体育館。最後の試合。
サチさんに。サチさんに伝えたい言葉。
試合後に伝えることができました。
2011マーメイズには4年生に素晴らしい選手がたくさんいました。
山口かなめ選手、近江あかり選手、吉村志穂選手、養畑美穂選手、河野舞選手。
だけどもね。だけどもね。
サチさんがいなかったら日本一にはなれなかったと思う。
日本一になるための最後のワンピース。それが、サチさんだったと思う。
だから。
「サチさん、東海に来てくれて、本当にありがとう」





サチさんはよく泣く選手でした。
敗れた試合でも、苦しみの中で勝ち得た勝利でも。
4年生最後の試合では、必ず泣いていた。



サチさんに伝えた後、サチさん泣かなかった。
一瞬、表情が崩れた。
お姉さんのケンさんと同じ表情だった。
泣きそうだった。
それは自分もだった。
はは……多分、どっちか泣いてたら、二人とも泣いてた思う。


2013年の全日本インカレは、それで終わった。
中央体育館から朝潮橋の駅に向かう途中で涙がこぼれた。
そのまま涙も拭かないで駅まで歩いた。




後から聞いた。
サチさん、トイレで泣いてたって。



はは……。結局、二人とも泣いてた。
どっちも涙は互いに見せなかっただけ。



家高七央子選手には思い入れが、自分にはあります。