2005年2月20日 茂原アルカス戦 ①

pigroboshow2005-02-21

2005年2月20日,グリーンアリーナ神戸で行なわれた茂原アルカスとの試合。
この試合,自分の席の横にかなり お年をめされたご夫婦がお座りになられました。このご夫婦は,最近のVリーグについては,あまりご存知ないようでしたが,バレーボールにとても詳しくて自分もお話を聞いていて,ついご夫婦とバレーボールのことで色々お話して楽しんでしまいました。このご夫婦は,本当にバレーボールに関して,よく見ておられていて,

久光のずらーっと並んだ選手の横断幕を見て,
「久光も知らない名前が増えたなあ」
たとえば,大山加奈選手のポジションについては,
「なんで,大山さんはライトなの?」
茂原アルカスの1番の吉田さんが,サーブに回ると,
「このサーブは,要注意やな。今の布陣が1番,茂原は強いんと違う?」
東レ・アローズの2枚がえには,
「なんで,この場面でせなあかんの?」
東レ・アローズが連続2ポイントを取ったあとに,茂原アルカスが,つかさずタイムアウトを取った時,
「ああ。やっぱり,取られた。せっかく,流れがこっちに着てるのに」
そのような言葉連発でした。

で,ご婦人が,僕らがダン ダン もう1本!と応援していた時にいわれた言葉。


「ねえ,レシーブした子の名前を呼んだけることは出来ないの?レシーブを褒めてやりたいわ」

試合前の練習中,実は,僕,ある事情で横断幕を移動してました(汗)その時に,友達から電話が入りました。
「メグさんがリベロみたいですよ」
で,自分の席に着席したら,大槻選手がひとりみんなと違うユニを着てました。

今リーグ,初のリベロ出場の大槻選手。大槻選手のリベロを見ていて感じたのは,茂原アルカス戦の大槻選手にとって,取れないボール,届かないボールは1本もないのだなと感じました。「気持ち」のことです。大槻選手の心の中で,この試合,どんな1本,1球にしても諦めるという言葉はなかったように思います。味方ブロックがワンタッチして弾いたボール,味方レシーブが捕らえきれなかった時のボール,相手チームの絶妙なフェイント,大槻選手のダイビングレシーブが何度もピンチを救ってくれたように感じました。もちろん,ファインレシーブの一つ一つが,すべて心にぐっときましたが,僕が特に心に残ったのは,二つのことです。

大槻選手が上げた向井選手への2段トス。けして珍しいプレーではないです。でも,きっと大槻選手から向井選手に上げたトスには,特別な想いがあるように思いました。
プレーの中から2人の会話が聞こえたように感じました。
「ダンさん,上げるよ」
「任せろ,メグ」
そんな熱い気持ちがプレーから伝わってきたように感じました。

選手,一人一人とタッチした後,向井選手の横に座って,なにかお話をされている姿を見て,ほんま,今日の試合は,2連勝という言葉以上に勝ちたかった。勝って良かったと思いました。

そして,もうひとつ。相手サーブを待ち受ける大槻選手の姿。
しっかり握られた両手。<握った両手はみんなの為に>
腰を低く落として。<どんな強いボール,変化も受け止めて>
相手コートを真っ直ぐに見つめ。<セッターにきれいなボールを返す> 

レシーブの体勢に入った大槻選手が相手コートに向かい大きな声で,

「来い!」

その声からは,相手サーブに対する強い気持ちが伝わってきました。

リベロというポジションは,一人,違うユニフォームを着て,試合に臨む特別なポジションで,白がベースの昨日の東レ・アローズのチームの中で,大槻選手の青いユニフォームはとても頼もしく輝いていました。


さて,突然ですが,問題です。ご婦人がある選手のスパイクを見て,こうおっしゃいました。
「○番の選手,伸びのあるいいスパイクを打つ。」
○番の選手とは,何番でしょう?
答えは,3番。五十川選手です。東レ・アローズには,大山加奈選手をはじめ,すごいスパイクを打てる選手がたくさんいるのに,そのご婦人は五十川選手のスパイクにもっとも感心されたようです。僕は,何故だか,その言葉が凄く嬉しかったんです。
僕は,五十川選手のことは,バレー友達のなぎなた少女からその魅力を教えてもらっていて,第10回Vリーグの時,怪我をされてしまって,試合に出れなかった五十川選手のことが,すごく気になっていました。
その後,復帰された五十川選手のスパイクをはじめて見た時の印象は,速い。という印象でした。五十川選手は高さは,大山加奈選手や向井選手のように高くはなかったですが,Bクイック張りの平行トスを小気味よく決めていました。
茂原アルカス戦は,ほんま,僕,五十川選手のコート上の姿を注目して見ていた様に思います。
五十川選手,リベロもこなしていたこともあって,レシーブいいし,フォローもバッチリでした。
五十川選手はバレー頭がいいというか,ほんと場面ごとにポジションを取る位置が的確で,危ないって場面にそこにいてくれました。同じ四天王寺高校出身の西脇選手のフォローした時は,ちょっとしびれました。五十川選手は,タイプ的にオールラウンダ―で,大山未希選手にとっても,すごくいいお手本になるなあって思います。黒鷲旗の優勝後のファンとの交流の場で,未希選手と一緒に笑顔で話されていたのが印象的で,函館の試合の時も大山未希選手を励ましていた姿を思い出す度,五十川選手ってほんと優しくて人間的にもいいなあって思います。

試合の流れなのか,どうか分かりませんが,茂原アルカス戦では,速い平行トスからのスパイクを見ることは出来ませんでしたが,それでも,「伸びのあるいいスパイク」は健在でした。実はずっと待っていたんです。だから,すげえ大きな声でメガホン叩いて叫ばせていただきました。「ヨウコ,ヨウコ!もう1本!」