ヨウコさん

五十川葉子選手のことを知ったのは,五十川選手を応援している応援サイトの管理人さんがきっかけでした。すごく笑顔がさわやかだなあって印象がありました。
初めて町田に東レ・アローズの試合を見に行く時,大山加奈選手はもちろん,五十川選手のプレーもすごく楽しみにしていました。でも,その直前に五十川選手は怪我をされてしまい,プレーを見ることは出来ませんでした。
それでも,その試合の五十川選手は,チームに帯同されていて,真剣にボールを拾って,大きな声でチームメイトに声を掛けていました。「頑張ってくださいね。」そう,言えたらいいなと思っていたのですが,そんな言葉さえ飲み込んでしまうほど,五十川選手のまなざしはコートの中の選手と全く変わりませんでした。
第10回Vリーグでは,決勝戦のその時も五十川選手が復帰されることはなかったです。その後の近畿総合でもやはり欠場されていて,五十川選手のプレーを見ることが出来たのは,東レ・アローズが優勝した黒鷲旗でした。

五十川選手のスパイク練習を見たときに,ボールを打つ高さがネットぎりぎりで,びっくりしたのですが,その速さに驚きました。ほとんど速攻でした。高いオープンスパイクは,あまりないのですが,平行トスを小気味よく決めていました。それが,五十川選手の持ち味のようでした。

忘れられないのが,岡山でのサマーリーグの五十川選手でした。このサマーリーグでは,五十川選手がキャプテンとしてコートの中にいました。この時の五十川選手は,素晴らしい活躍でスパイクは打てば決める。という感じでした。でも,何よりすごい発見だったのが,キャプテンとしての資質の高さでした。
とにかく指示が的確で,五十川選手は相手チームの攻撃を言い当てていました。
「○番の速攻,来るよ」「○番,マーク」
そして,タイムアウトの後などは,必ずコートの中のみんなを引き締めるように檄を飛ばし,チームのピンチの時,ミスした時は必ず励ますように声を絶えず掛けていました。
声を掛ける指示の的確さと絶妙なタイミング。
その日の五十川選手はコートの中心でした。五十川選手がいてくれたことで,どれだけチームが救われたかは計り知れないなあと思いました。

第11回Vリーグ,函館のシーガルズ戦で,未希選手がリベロで出場された時,すごく未希選手を励ましていた五十川選手。控えにまわった時でも,出場されている選手を常に励まされていた五十川選手。でも,リーグ終盤のアローズバスの中で,沈んだ顔を見ることも多くて,それだけがずっと心が痛かったです。

近畿総合,黒鷲旗でも五十川選手の姿を見ることが出来なくて,ひょっとしたらとみんなが心配していて。そして,黒鷲旗での東レ・アローズが敗退した時に,きちんとご自分のことを報告してくれた五十川選手の心遣い。その報告の記事の,感謝に溢れた前向きな言葉を読んで,五十川選手の人が感じられたの僕だけで無いと思います。

どのような道を選ばれるかは分かりませんが,体育館,コートの中で,誰よりも溌剌として,元気な五十川選手の声がまた聞きたいなあって,思います。