クルミ

国体関東ブロック予選のトーナメント表を見た時、プレミアの2チーム、茨城県(日立)、埼玉県(上尾)の2チームは、ほぼ本大会出場は固いと思われました。
残り1枠。
まあ、それはたくさんのバレーファンが想像したことだと思います。
ただ、その残り1枠を山梨県山梨中央銀行)が勝ち取ると予想した方は少なかったのではないかと思います。


関東ブロック予選の各県代表は、プレミアが2チーム。チャレンジが2チーム。大学が2チーム。9人制を主としている実業団から2チーム。


茨城県(日立:プレミア)。埼玉県(上尾:プレミア)。千葉県(柏:チャレンジ)。東京都(GSS:チャレンジ)。
栃木県(宇都宮大学:関東1部)。神奈川県(松蔭大学:関東2部)。群馬県群馬銀行:9人制)。山梨県山梨中央銀行:9人制)



2009年12月13日。
東西対抗が駒沢室内球戯場で行われました。
その帰り道。
暗い道を歩いていると、東海の4年生に偶然、会いました。
駅までの道を一緒に歩きました。
寒空に星が出ていました。
その時期の4年生には、聞いてみたいけれど、なかなか聞く勇気がない、応援する者からしたら、最大の関心ごとがあります。
思い切って、聞いてみました。
「バレーを続ける人は、いますか?」
教えてくれました。
続けるのは、ツクシさん(岡崎選手)。そして、クルミさん(三浦選手)。
ただ、
クルミは9人制のチームに行きます」
当時、自分は9人制のチームについては、クラブチームの松山星雲ジュピターの試合を数試合見ただけで、ほとんど予備知識はありませんでした。
また、自分自身がクルミさんは、Vリーグのどこかのチームに進んでほしいという願いもありました。
正直に言うと、クルミさんが9人制のチームに行くと聞いた時は、ショックでした。




2010年5月23日。
神奈川県相模原市で行われた9人制の大会に山梨中央銀行が出場すると聞いて応援に行きました。
9人制の応援にはびっくりしました。
本当に熱心に各チーム応援していて、山梨中銀も素晴らしい応援でした。
この日の決勝はパイオニアと中銀。
この試合の第2セット。
山梨中銀は、6度のセットポイントをしのぎました。
この日は、当時、セッターだった辻選手とセンターの土方選手のプレーに感動しました。
9人制バレーでは2回サーブが打てます。
第2セット、苦しい場面で土方選手が2回連続でサーブミス。
そのあとの辻→土方の気迫溢れる速攻にはしびれました。
試合後、クルミさんに声をかけました。
「面白かった」
「ありがとう」
と伝えました。
それと、言葉にはできなかったけれど。
「素晴らしいチームに入ったね」
と、祝福したい気持ちになりました。



2012年10月6日。
岐阜国体。
トヨタ車体-山梨中銀
〇25ー19
〇25ー16
23ー25〇
〇27ー25
このスコアが、すべてを物語っていました。
アローズファンの友人が何度も感嘆の言葉をもらし、
「ドラマのようでした。感動しました」
と絶賛した試合。






2014年7月13日。
9人制バレーボール実業団大会。
山梨中銀0-2富士通テン
14-21〇
11-21〇
優勝した富士通テンの試合。
一方的な試合となってしまいました。
試合後に多くの選手が涙。
たまたま帰る時、クルミさんが出口近くにいたので、声をかけました。
「また 応援に行くから」
クルミさんは、ありがとうございました。そう言って、くれました。
出口近くには応援にきていた、たくさんの中銀の方たちがいました。
クルミさんは、今年から中銀のキャプテンです。
たくさんの応援がありながら、自分たちが納得のいかない試合をしてしまった。
キャプテンのクルミさんの、ぐっとこらえた顔を見ていると、思い出す風景がありました。



2007年10月28日。
入れ替え戦
春に2部に落ちた東海が秋に昇格を目指した試合。
東海は敗れました。
コートからスタンドに戻ろうとしたクルミさんと、スタンドから応援していたカンナさんが階段でばったり。
クルミさんとカンナさんは同級生。
階段の2つぐらい下にクルミさん。階段の2つぐらい上でカンナさん。
カンナさんがクルミさんを抱きしめました。
クルミさんのほうが背が高いから、その段差がちょうどよかった。
託されたクルミさんは、応えることができなかったと泣いていました。
託したカンナさんは、十分に応えてくれたよと笑顔でいました。



2014年8月23日。
柏エンゼルクロスとの試合は、序盤から点差が離れない拮抗した好勝負になりました。
柏の東海OG、キエさん(河野選手)も溌剌とプレーしていました。
第1セット終盤、クルミさんが大活躍。
最後の点数は、ほとんどクルミさんが決めていたのではないかと思いました。
第2セットも同じような展開でした。
最後、マークされていたクルミさんではなく、ライト側を選択したセッターさんは好判断だったと思いました。



日立との試合。
この試合、クルミさんを次の試合に備えて、温存させていたのではないかと思います。
それでも、大差がついてクルミさんをコートに戻してから連続得点で20点まで載せました。
もしも、クルミさんをずっと出していたらという思いもありますが、「絶対」に長崎国体に出場するんだという命題を達成するには、「かもしれない」ではダメなのかもしれません。



GSSとの試合。
第1セットは、クルミさんが決めまくって中銀が取りました。
が、第2セット。
GSSがローテをいじって、クルミさんとカホさん(菊池選手*東海OG)をマッチアップすると、クルミさんが、苦労する展開に。
序盤、中銀が走られたのは、これが要因だったと思います。
大きく点差を離されて、クルミさんのサーブ。このサーブがすごかった。
サービスエースありの連続得点で点差を縮めて逆転。
このセットは、前キャプテンの仲田選手が大活躍。
長崎国体出場を決めました。



表彰後に、監督さん、辻さんの胴上げが行われた後、クルミさんの幕をはずしに行ったら、コートから呼ぶ声が。
クルミさんでした。
歓喜の涙の後の笑顔で、
「ありがとうございました」



そうだよね。
応援してくれた人達に「勝利を」報告に行きたいよね。
「ありがとうございました」と、感謝の言葉を笑顔で言いたいよね。
「良かったね。おめでとう」