山梨中央銀行女子バレーボール部〜 その2

関東ブロック大会2日目の山梨中銀の対戦チームは日立。
この試合、先発セッターは、辻選手ではなく斉間選手でした。
さらに、第1セット、活躍していたエースの三浦選手を交代。
3位決定戦に照準を絞っているようにも思いました。
この試合は、日立がスレート勝ち。


試合の合間に昼食を取ろうとロビーに出る時、
中銀に敗れた群馬銀行の監督さんが、中銀の選手に激励の言葉を掛けている場面に遭遇しました。


第2試合は、埼玉県が3-1で東京都を下して勝利。
国体出場を掛けた試合は、山梨県−東京都の試合となりました。
この大会が始まるまで、謎に包まれていた東京都チームですが、大学を中心としたチームと判明。


監督:生瀬 良造
背番号1 主将:森田絵美(三菱UFJ銀行)
2:須江はるか(GSS)
3:養畑美穂(三菱UFJ銀行)
4:町田美穂(早稲田大学)
5:上野沙耶(青学)
6:松浦圭(青学)
7:大場知英(GSS)
8:大和瞳(日体大)
9:望月玲奈(青学)
10:柏木裕香(国士舘)
11:山川美咲(青学)
12:高橋舞(日体大)


このメンバー、かなり強いメンバーです。
また、自分としては、養畑選手がいることが嬉しく思いました。


山梨中銀と東京都との試合。
第1セットは、序盤から東京都が優位に試合を進めました。
正直、東京都のほうが強いと思いました。
が、前日の第1セットと同じく中銀が「粘り」を発揮。
逆転で27-25と接戦を制すと、第2セットは、中銀が一気に乗る。
25-14の大差で中銀が連取。


前日の大応援団の応援もあり、このままストレートで勝利かと思った第3セット。
大変なことが起きてしまう。
中銀のエース対角の川久保選手が、スパイクを打った後に倒れる。
自分では動けないほどの負傷で、「痛い」を連発。
川久保選手は、数名で抱えられてコート外に。
担架で運ばれました。
急遽、加藤選手がコートイン。


さらに、その数プレイ後に、今度はセッターの辻選手が倒れる。
実は辻選手。福島で行われた大会ではベンチ外でした。
足の状態が思わしくないようでした。
この大会でも、足を引き摺る場面が何度もありました。
自分は、よく「頑張れ」と声を掛けますが、辻選手に「頑張れ」は、本当に心が痛みました。
無理を押して出場していたのは明白で、前日の30度を越えるコートの中でのフルセットの試合は、体にもダメージが大きかったと思います。
辻選手はベンチに。
代わりに新人の斉間選手がコートイン。


2セット連取しているものの、正セッターとエース対角が抜けた中銀。
第3セットは、東京都がリード。
絶体絶命と思われたこの状況で、
交代で入った新人セッター斉間選手と、時にはスタッフとしてもチームを支え続けた加藤選手が活躍する。


だから、バレーは面白い。


斉間選手は落ち着いたプレーを見せ、9人制の大会では、あまり使わなかったコンビも見せた。
キャプテンの仲田選手との速攻は見事。ここぞの場面でも、サービスエースもあった。
加藤選手は、川久保選手のような力強いスパイクは打てなかったかもしれないけれど、うまくタイミングをずらしたスパイクと強打を使い分けて貢献。


この中銀が、終盤に逆転。
マッチポイントを奪う。
ここで。
この1点が決まれば国体出場の場面で、エース三浦選手にボールが上がる。
が、三浦選手のスパイクを東京都が好レシーブ。
同点。
そして、このセットは、29-31で東京都が取る。


セットカウントは2-1だけれども、「厳しい」と思いました。
絶対に取りたいセットでした。
負傷選手が2名。
さらに前日のフルセットの疲れもあります。


第4セット。
圧倒的に不利な状況と思われましたが、ここで、ミラクルが起こる。
東京都の強烈なスパイクを、中銀が上げまくる。
特に、三浦選手がほぼフリーのスパイクを何本も上げたのには驚きました。
三浦亜野。東海時代のコートネームは、クルミ。現在は、タク。
クルミさんが、これだけ試合で何本もスーパーレシーブを見せた事は無かったのではないかと思う。バレーの神様が「何か」を与えたのではないかと思うほど好レシーブを連発。
ディフェンスとともに、攻撃も冴え渡る。


リードを広げ、再び辻選手がコートに。
この時、サーブのポジションにいたのは目黒選手だった。
目黒選手は辻選手がコートに入る際に、ボールを小脇に抱えて、拍手をしていた。
その目黒選手の「顔」は、なんとも言えないイイ表情をしていた。


山梨中銀24-18東京都。
マッチポイント。
この場面で、トスはエースの三浦選手に。
クルミさんが、スパイクを決めた瞬間。
監督、控え選手がコートに走りこんでいった。
次に応援席の方に選手達が、いっせいに笑顔と涙でくしゃくしゃになりながら走ってきた。
感謝の言葉や、おめでとうの言葉、労いの言葉が溢れる。


思えば、東海との練習で1セットも取れなかったチームが、この予選を勝ち上がってこれたのは、大変な練習もあったとも思いますが、何より支えてくれる方々、応援の力も大きかったと思いました。


試合中、自分の後ろにいたご婦人方。
選手のお母さんと同年代ぐらいの方々と思いますが、常に一生懸命に応援されていて。
上司の方と、こんなお話をしていました。
「明日は、声出ないから、きっと静かでいいよ」
と言って笑っていました。
そして、ちょっと、ほろっとしてしまったのは。
「明日、あの子たち(バレー部)の分も、2倍も3倍も働くから、バレー部はお休みにしてあげて」
いろんな方の支えがあるから、あんなに頑張れたんだなあと思いました。


試合後に、川久保選手のことについて中銀の関係者の方に聞きましたが、はっきりとは分からないものの少し時間が掛かるのではないかとのこと。
1日も早く、また元気にコートに戻られるよう願っております。