WAKE UP

梅雨が明けようとしていた仙台の体育館で

試合の合間に自動販売機の前に一人。

「何に しようかなあ」
迷っていたあなたは 微笑ましかった。

この試合に勝った方が事実上の優勝と言われた
筑波との試合に敗れた。
体育館を出たところで、お父さんとお母さんの前で泣いていたあなたの肩を御両親の手が優しく支えていた。

2年生になったあなたは、すぐにスタメンかと思っていた。ベンチを温めていたあなたに心配して聞いた。
「実力です」
そう言ったあなたに、期待を込めて言葉をかけた。笑顔になってくれた。


冷房の無い真夏の体育館。
体育館の外でばったり会った。
「暑いですね」
そう言って笑ったあなたの笑顔は、とびきりさわやかだった。

表参道の試合が終わって
東京体育館で試合に出てると聞いた時は、
心底驚いた。
無理もいっぱいしていた
そんなあなたが心配だった。


明日は日本一をかけた試合。
その前日に、スタンドの上の方で藤井さんと
話しをしていた。
大会中に怪我をしてしまったあなたは涙ながらに話しをしていた。

あなた達に失望したことは一度もない。
それでも あなたに対する信頼は 誰よりも強い。

きっかけに過ぎない。
そう言ってあなたは、チームの為に最大限の努力を続けてきた。積み重ねてきた。

最後のリーグ戦。
最強と思われたチームが勝てなかった。
最後の円陣で、みんなに話しかけていたあなたと。
それを隣で聞いていたあなたは、泣かないように笑おうとしていた。

あつみさんが言っていた。
あなたは、カメラを向けると、
いろんなポーズを取ってくれて、
撮影していて楽しいですって。
ありがとう。

4年前のあなたが、今のような存在になるとは、全く想像出来なかった。
あなたが平然と行っていたスパイク練習は、いまだ見たことがないものだった。

見慣れない緑のあなたは、緊張していた。
チームは敗れてしまったけれど、
進むあなたを、また応援できるのは
嬉しい。