スーパールーキー

pigroboshow2005-08-24

国体近畿予選での木村沙織選手のことを書こうと思ったら,キーボードを叩く指が止まってしまいました。何から書いたらいいのか,あまりにも素晴らしすぎて。

この2日間の木村選手は,ツーセッターの一角であり,スーパーエースであり,コンビもバッチリという大活躍でした。

サーブに関しては,3試合でミスは2本だったと思いますが,その2本に関しても,きわどいところを狙っていた絶妙のサーブでした。ジャンピングフローターから放たれる矢のようなサーブは,全てエースを取ってもおかしくないサーブでした。

攻撃に関しては,中国との親善試合でも感じたけれど,これまではどちらかというと,上手さがクローズアップされていたように思いますが,力強さを感じました。角度,高さ,スピード申し分ない。すごかった。上手い木村沙織というより,すごい木村沙織でした。
コンビもバッチリで,東レ・アローズの攻撃の幅が木村沙織選手が入ることで格段に広がったように思います。

トスアップに関しては,100%コンビバッチリというわけにはいきませんでした。
それは,今のアローズが4人のセッターがいるということもあるし,アタッカーとの意思の疎通はそうたやすくないと思います。
でも,とても急造とは思えませんでした。何度も,ため息がでちゃうトスありました。
乱れた際の処理のセンスのよさは,ビデオに録画してスロー再生で,見てみたいと思いました。トップアスリートの一瞬の閃き,運動能力の高さに感動さえ覚えると思いました。

セッターというポジションにいる木村沙織選手の魅力は,是非,多くの人に見てもらいたいなあと思いました。それには,大山未希選手とのツーセッターシステムが一番のように思います。ワンセッターでは,まだ厳しいだろうなあと思いますし,それ以上に木村沙織選手の攻撃が封印されてしまうので,あまりにも勿体無さすぎです。木村沙織選手,同様,大山未希選手の攻撃面での「強さ」も勿体無いですし,セッターとしてぐんぐん伸びているのも分かりますし……ああ。でも,ワンセッターでのサチさんへの信頼感と,ミチさんの天才肌のトスも見たいし,ここのところはすごくファン心理としても複雑ですね。

木村沙織選手が,アローズに入って良かったなあと思えるのは,成徳の先輩,朋友との間で伸び伸びできているというだけでなくて,サチさんが親身に木村沙織選手にアドバイスを送っている姿を見て,つくづく思いました。
東レがセッターとして,木村沙織選手を育てるのに,サチさんが本当にいいアドバイスをされていて,交替時などの合間にサチさんが,懸命に手ぶりまじてりでアドバイスをしていまた。それを木村沙織選手が素直にすごく真剣に聞いているのがとても印象的で,そのあと,なんどもトスを上げるイメージトレーニングをされていました。

レシーブに関しては,ツーセッター時は,あまりサーブレシーブ等の機会はなかったです。でも,ワンセッター時は,これまで同様,優しくて素直なボールをセッターのミチさんに返していました。ボールに対する集中力も素晴らしくて,ブロックして弾かれたボールに対して,ダイブした時は,自分は思わず,「危ない」と思ってしまいました。捨て身のレシーブはチームに勇気を与えてくれるという言葉はあるけど,そうだなと思うと同時に,この子が怪我したら東レ,日本のバレーにとって大きな痛手になるなあとも,瞬間,思ってしまいました。


今大会は,他のVのチームが参加していたわけではないし,ある程度のことは差し引いて考えなくてはいけないけれど,自分が見た木村沙織選手は,けしてアイドルではなくて,最高のアスリートでした。