祈り

pigroboshow2006-05-11

バレーボールマガジン2005年3月号に,
2005年 1月16日に函館で行われた試合の特集が組まれています。
東レ・アローズ VS シーガルズの試合がその日 行われました。
4ページ目の上方に 小さな写真が掲載されています。
それは試合後に二人の選手が並んで座って,勝利を喜び両手を合わせている写真です。
その二人は,大山未希選手と大槻めぐみ選手です。
第11回Vリーグは,本当に苦しい試合の連続で,それまで東レ・アローズは日曜日に一度も勝てないでいました。
その日。
達川監督は,大きな決断をしました。新人の未希選手をリベロとして起用しました。
その試合は,フルセットの末,東レ・アローズが劇的な勝利をつかみました。
メグさんはポジションとしてはリベロです。
しかし,それまでの大会中,リベロとして出場したことはありませんでした。
複雑な気持ちもあったと思うのです。でも,あの時の大槻選手は,未希選手の為に祈り,そして共にコートで戦っていたと思います。
小さな写真だけど,大槻選手の気持ちと未希選手の頑張りと,それがすごく伝わってくる尊い1枚だと思います。

同じく 第11回Vリーグで。日曜日に勝ったものの連勝は1度もありませんでした。その連勝を記録した日。その日。
茂原アルカス戦で,メグさんがリベロのポジションに入りました。たった一人だけ違うユニを着た青いユニのメグさんのなんと頼もしかったことか。なんと可憐だったことか。
そして,ダンさんに上げたあのトス。
あのトスを,たくさんのアローズファンは特別な想いで見ていたと思います。
メグさんのリベロを思い浮かべた時,真っ先に思い浮かぶのは
両手をしっかり握り締めて,相手サーバーに向かって叫ぶ「来い!」という掛け声。
仲間の為にしっかり握った両手の強さ。その気迫がバレーボール選手としてはそれほど大きくはないメグさんの全身から伝わってくるようでした。

昨年のサマーリーグ。その時は,センターの選手がいなくて,メグさんがセンターのポジションに入りました。普段,リベロの選手がセンターを。それでもメグさんは懸命にブロックに跳び,速攻を決めていました。コートの中でバレーをすること。メグさんは誰より その尊さを知っていたように思いました。

メグさんは とても元気な印象があって,いつも大きな声でゲキを飛ばしているイメージがあると思います。けれど,メグさんは。
仲間のサーブ,ここぞという場面で。
いつも両手をしっかり握って 懸命に祈っている姿がありました。
その姿を見て,僕も心を打たれた一人です。
メグさん。あなたは いつも みんなの為に祈ってくれていた。
そして,ここぞと言う時。苦しい状況でも いつも自分の精一杯の姿を見せてくれた。
ありがとう。 メグさん。