2005年3月5日 第11回Vリーグ 最終戦 対 久光

そうして素晴らしい一瞬の積み重ねで,野洲での久光戦は試合終了の時を迎えました。
それは,また東レ・アローズの第11回Vリーグでの試合日程が全て終ったことを意味していました。
少し寂しい気持ちがあるのは否定出来ませんが,それでも,その時,自分の心の中の大部分をしめていたのは「感謝の気持ち」でした。
アローズバスを見送るたくさんの人。
自分は,このアローズバスに乗り込む選手を,アローズバスが去っていく姿を見送るのがとても好きです。試合を通じてもらったたくさんの感動というたからものを,自分の中で消化する為の時間であるようにも感じます。
アローズバスが,見えなくなった後,それぞれがそれぞれの家路に着くことになります。
今,見たばかりの感動を誰かとともに分かちあいたい。ある人は,友達と。兄弟と。両親と。
空を見れば,アローズブルーの青空。
そして,いつの日か。
東レ・アローズ東レ・アローズを応援するたくさんの皆さん。
同じ空の下,
体育館でまた会いましょう。

2005年5月3日 黒鷲旗 1回戦 対 武富士

黒鷲旗の1回戦で、東レ・アローズ武富士に敗れました。
試合前に試合に出れない選手が、横断幕を張っていて、車椅子に乗られた人にすすんで握手をしにいったあなたの姿が大好き。
スパイク練習で、観客の前に壁になったあなた達の姿が大好き。
コートの中で仲間の為に必死に活路を見出だそうとして、そして、仲間の為に自分の為にコートの中でカッコ悪くたって、精一杯の力を出そうと頑張ったあなた達の姿が大好き。
試合に出れなくても、身を乗り出して、コートの中の選手と同じく戦って、声で勇気づけようとしているあなた達の姿が大好き。
東レ・アローズを応援したいと思って、大阪に駆け付けて精一杯の応援をした あなた達が大好き。
試合後に負けてしまって辛い気持ちのはずなのにファンサービスをしているあなた達の姿が大好き。
選手の気持ちを考えて、声を掛けて、あえて選手に何ももとめず、また次の試合に夢をつなげるあなた達の姿が大好き。
きっと、自分自身が不甲斐なくて歯がゆくて、でも笑顔で手を振って去って行ったあなた達の姿が大好き。
東レ・アローズが好きやねん

2007年3月31日 第13回Vリーグ終戦 対 武富士

私にとっての第13回Vリーグが終わってしまいました。
私は、最終戦が終わった後にしたいことがありました。
それを、しました。
試合後に深谷で、アローズバスに手を振って見送りました。
それと同じ気持ちで。
京都に深夜バスで帰るアローズファンに手を振って見送りました。
愛知に深夜バスで帰るアローズファンに手を振って見送りました。
盛岡に深夜バスで帰るアローズファンに手を振って見送りました。
終戦。急遽、東レアローズを応援したく遠方から駆け付けてくれた同じ心を持つ人達をどうしても見送ってあげたかったんです。
東レアローズと同じく大切な人達だから。
手を振って見送りたかった。
みんな ありがとう。
また 体育館で!
東レアローズを応援しよう!
頑張っちゃおう。
張り切っちゃおう。
楽しもう。
笑おう。
汗かいちゃおう。
喉、からしちゃおう。
嬉し涙、流しちゃおう。最終戦に駆け付けてくれたみんなを、手を振って見送りたかったんだ。
そして、来れなかったみんなも。挨拶出来なかったみんなも。もちろん!東レアローズも!
また 体育館で 元気に会いましょう!

2007年9月3日 近畿総合 対 JT

どんなに点差が開いていても、絶対に届く。
どんなに周りに相手チームのファンがいても、ただひたすらに東レアローズを応援していました。
第3セット、この試合、3回目の25点が入った時から
私は顔をずっとあげて、東レアローズだけを見ていました。
JTの選手とファンが一体となった歓喜の波を肌で感じながら、東レアローズしか見ていませんでした。
「あの時」
と同じように、ダンさんが一番前に立っていました。
そのダンさんの一歩あとに、メイさんがいました。
表彰式が始まって、優勝したJTに対して、拍手を送りました。
表彰状〜副賞、5人の選手が次々に大会役員から笑顔で受け取るのを、このときだけは、まっすぐ見つめ勝者に対して敬意を込めて、心から大きな拍手を送りました。
続いて 準優勝の東レアローズにも心から拍手を送りました。
リィさんが敢闘賞を受賞した時は、凍っていた何かに暖かいものが溢れるような気持ちになれました。とても嬉しく思いました。
「リィさん、おめでとう」
横断幕を外しました。
選手を見送りたいと思って、通路に出た時に 東レアローズの選手にばったり会いました。
ありささんが顔を伏せていました。みんなの顔は、いつもの みんなの顔ではありませんでした。私は、その時、視線を下げて、通路を歩きました。
そして、未希さんに会いました。
通り過ぎて
このときの私の感情は、自分でもよくは分からないのですが
「未希さん」
そう 呼び止めていました。
未希さんもこちらを振り返ってくださいました。
一言だけ 声を掛けました。
その時、未希さんは笑って 頭を下げてくれました。
その時の笑顔は、思い出すと ちょっと涙が出てきそうになります。
私は、その時、どんな顔をしていたのかなと思います。
私も笑顔だったように思います。
通路に出てくる選手達に言葉は掛けれなかったけれど、ひとりひとりに心の中で、エールを送っていました。
みんな いつもと 違う笑顔でした。
最後に めいさんと ダンさんが出てきました。
ふたりは いつもよりも いつもよりも 笑顔だったように思います。
「応援ありがとう ございました」
丁寧にそう言って 笑顔でいました。
この日、同じアローズファンの方も 最後まで選手が出てくるのを待っていました。その気持は、すごく良くわかるように思いました。みんなを送りたいと思いました。
アローズバスのところにいったら、未希さんの座席のところはカーテンが閉められていました。
バスが出る時に、めいさんが笑顔で手を振ってくれるまで、手を振るのを忘れていた自分がいました。
「涙の数だけ強くなれるよ」
そういう歌のフレーズがあったと思います。
強くなれる そうだと思います。
試合後のマリもリオも、1年前の2人ではなかったです。
強くなれると。そう信じています。
でも、辛いこと、悩むこと、苦しいこと、悲しいこと、悔しいこと。
時に、負けてしまいそうになることが たくさんあって、それはとても しんどいもの、大変なことだと思います。
その しんどいことに立ち向かう選手、ひとりひとりを自分はとても尊いものに感じます。愛しく思います。私は「強さ」「完璧」なものより「弱さ」「未熟」であっても、頑張ろうとしている「人」が好きです。
「今日の試合を見たら、秋田に行きたくなる」
とても信頼しているあるアローズファンの方と、そんなお話をしました。
涙は選手を強くしてくる。
そして、涙は人を より一層深いものにしてくるのかもしれません。
東レアローズが前より、ちょっぴり深く好きになっている自分がいました。