変わらなかったもの

pigroboshow2008-03-29

第10回Vリーグセミファイナル、監督さえも泣きそうになってしまった出場を訴える加奈さんを「必ず勝つから」と、止めてくれたのはダンさんだったそうです。
レギュラーラウンド2連敗のNECに、ストレート勝利をした前夜のことだそうです。
第10回の決勝で、敗れたあと。
ダンさんはみんなを守るようにコートの一番前に立っていました。
第11回Vリーグの秋田で、チームが連敗の苦しい中、怪我で退場。
背負われて、バスに乗り込む時のダンさんは、やっぱり笑顔でした。
「ねえ、ピグさん。とにかくダンさんに掛かる負担は大きすぎると思うよ」
あるパイオニアのレオさんファンの方が、そう言いました。また、あるアローズファンは
「ダンさんは素晴らしいキャプテンだけど、その任を解いてあげて、選手として集中させてあげてはどうだろうか。それが、本当に選手としてのダンさんのためになるんじゃないかな」
そういう方もいました。
2004年のサマーリーグで、モエさん、ミユさんたちが頑張っているのを見て、
「勝ちたい!」
そう思って、コートに向ったダンさん。
「今まで、たくさんの素晴らしいキャプテンはいたけれど、ダンさんは特別。本当にひとりひとりを包むように愛しているキャプテンだと思います」
そういう方もいました。
あるアローズの選手は、高校を卒業する際に、たくさんの選択肢がありました。
立派な施設を持ったチームや、色々な条件があったけれど、その選手は東レアローズを選びました。理由は、たったひとつ。
「ダンさんがいるから」
キャプテンになってから、いつも隣にいたサチさんは、今はチームにいなくて。
加奈さんは、あれから たくさんの苦難と戦い、
エリカさんが世界レベルの選手へと成長し、
未希さんがセッターに転向したり、
ヨウコさん、メグさん、モエさんがチームを去り、サオリさん、ミヤさん、アリサさん、将来の全日本を背負ってたつような選手が入部しました。
かつての東レアローズの監督は、今度、ファイナルで対戦するチームを率いています。
東レアローズというチームは、わずかな時間に大きく変わっていったように思います。
それでも、変わらなかったものもあります。
変わらなかったもの。
向井久子。背番号1。その数字の下の一本線。
東レアローズの、私達の、みんなのキャプテン。